美術館に穴場はないです。
と言ってしまえば身も蓋も無いのですが人それぞれ感じるもの、興味があるものは違うのでここが穴場ですとは言えなかったりします。
でも、新しいものや演出が盛り沢山でなくても構わなければ企画展ではなく、常設展をオススメします。
だって、、安いじゃん。
人も少ないし、、。
企画展が1000円以上するのに対して常設は100円とか200円だったりしますしね。
同じ美術、博物館で企画展が一時間待ちの長蛇の列でも常設展は大抵ガラガラです。上手くするとゆっくり貸し切り状態で楽しめます。
個人的には美術は作品以上に接する空間がかなり大切だと思ってます。
どうしても見たいものがあれば、めちゃ混みの展覧会に行くのも仕方ないですが、あなたは一体何が見たくて何をしたくて美術館に行くのでしょうか?
生キムタクを見に行きたい!運良くば握手したい!そんな気持ちでしょうか。それとも自分が好きな人を、気持ちが通じる人をこの広い世界から見つけ出したい、、そんな気持ちからでしょうか。
もし、混んでいる展覧会にどうしても行きたいなら、ゆっくりは見れませんが終了間際が比較的空いています。もしくは見たい作品があるなら美術館に朝一番に行き、開館したら一目散に下調べをしておいたお目当ての作品のある所まで向かうことです。ただ最近は美術館側も心得ていて逆行することさえ難しくしている所もあるようなので、なかなかこの方法も使えなくなりつつあります。とにかくもし興味がありそうな展覧会を見つけたら、テレビで紹介される前に行くことでしょう。
それにしても最近の企画展は援助金を受けるために企画意図を前面に強く出さないと駄目なのか、もしくは学芸員の自己主張なのかは分かりませんが、かなり無理があるこじつけ企画もあったりします。
見る人はそのテーマに沿って見せられてしまい、知らず知らずのうちに上手い広告文句と解説に乗せられてしまったりしてしまいがちです。
作品から企画コンセプトが必然性がなく浮いてしまってるものは明かに失敗です。中身は変わらないのに目先だけを変えたような朝三暮四の展覧会を僕は「こじつけ展」「詐欺展」と呼んでいます。
「時代の先端ではなく、見方によると埋もれかけた過去のものがほとんどですが、そうした押し付けがましい企画が常設には感じられない分、かえって冷静に自分の目と素直な価値観で美術を楽しめます。
言い変えればビデオレンタル屋さんの新作の棚に並ぶ流行のビデオではないけれど、埋もれてしまった数多くのビデオの中から良いものを見つけるような、、そんな楽しみが常設展にはあります。
時間が経っても良いものは良いですし、逆に時間に埋もれてゆくもの、もしくは時間によってかえって突出してくるものなど様々です。
でも人の後頭部を見るのや人ごみが好きな人には常設展より、企画展の方をオススメします。
ちなみに展覧会によく行ってる人なら感じることですが、企画展のメインの作品以外のほとんどがその美術館の常設で普段も見れたりするようなのもあったりします。
バブルな時代と違い予算削減、援助打ち切りの影響もあってか、なんとなく最近の展覧会は少ない予算の中で良い展覧会をしようとしてるのにもかかわらず、そのやり繰りに必死な学芸員方の姿が見え隠れしてしまって大変だなあ、、と感じてしまったりもします。
ちなみに企画展は駄目と言ってる訳ではありません。やはり良い企画展は新鮮でドキドキ、そして時には感動させてくれます。勿論お金がかかってなくても、良い展覧会も数多くあります。
話がそれてしまいましたが、美術館や博物館の常設展、、いつでも見れると思わず、気持ちに余裕があれば宝捜しのように結構充実した時間が持てます。
美術鑑賞の本当の醍醐味は、人が誰でも知ってる作品を見に行くことではなく、他の人が知らないまたは知られてなくても自分には大切に思える、そんな作品に出会える穴場を見つけることだったりするのではないでしょうか。
と言うことで美術館の穴場とは常設展でした。