先日、メトロポリタン美術館のピカソの作品(評価額90億円以上)に過って転倒した女性が穴をあけてしまったと言うことです。
きっと目撃した人達にとってはどんな前衛作品を見るよりも刺激的な光景であったでしょうし、「ああ、ピカソの絵も破れるんだな」と、あらためて絵画を物質的に感じられた貴重な体験にもなったと思います。
などと言う冗談はさておき、心配なのはいくら保険に入っていて過失だとしても破った本人にも賠償責任があるのかと言うことです。
数年前にはラスベガスの富豪があやまって自分の所有するピカソの作品(評価額165億円)を肘鉄で破ってしまうと言う出来事がありましたが、こちらは自分の所有物だったと言う点が今回の出来事とは異なります。
今回、穴があいてしまった作品は急いで修復されて4月から開催される「ピカソ回顧展」に間に合わせると言うことですが、ひねくれた見方をするとこの出来事で「ピカソ回顧展」の目玉がまた一つできたとも言えます。
ピカソ展を見に行った人はこの絵を見て
「ほほー、これがあの破られた絵かあ」
「ほー、どこに穴があいたのかわからんな。上手く直すもんだ。」
と絵の内容と関係なく、邪念に人だかりを作ってしまうのでしょうか。日本だったら間違いなく、この絵だけを見たくて行く人がいるのではないでしょうか。
ラスベガスの富豪が破ったビカソの絵の出来事はは日本題で「夢」と言われる作品だったので「夢破れる」と言うユニークなタイトルで報道されました。
ちなみに今回は「役者」と言う題名の作品だったのですが、まさか「集客に一役かった役者」などと言うタイトルで報道されたりはしないでしょうけども破ってしまった方は本当にお気の毒です。